部屋を片付けていたら、「梶原一騎」原作、「川崎のぼる」画 の「巨人の星」が出てきました。
{巨人の星」と聞いて、「なつかしー!」となるのは、もう50代のおじさん(下手したらおじいさん)世代でしょうか。
知らない人のために、簡単に説明しますと、昭和40年代に「少年マガジン」とテレビで人気を博した、いわゆる「スポコン漫画」の決定版です。
昔は古本屋に結構置いてありましたが、最近はめっきり見ないですね。
ストーリーは、「星飛雄馬」という少年が、まぼろしの巨人の名三塁手「星一徹」に育てられ、V9時代の読売ジャイアンツの頂点を目指した栄光と挫折の物語とでもいいましょうか。
主人公の「星飛雄馬」は、投げられそうで現実では絶対投げられない魔球を駆使しながら、高校時代からの「伴宙太」やライバルの「花形満」「左門豊作」などとともに、青春を駆け抜ける熱血野球物語です。
原作者の梶原一騎は、「巨人の星」のほかにも「あしたのジョー」「空手バカ一代」などの名作を残しています。
特に「巨人の星」はあしたのジョー」とどっちが好きかなど、比べられることが多かったのですが、両作品とも対局のことが多かったからかもしれません。
例えば、「巨人の星」の主人公の「星飛雄馬」は優等生の超マジメ人間なのに対し、「あしたのジョー」の主人公の「矢吹丈」は少年院あがりのグレものです。
個人的には、「巨人の星」のほうが息がながいかなあと思ったんですが、いまのところ「あしたのジョー」のほうに次世代、次々世代がくいついてますね。
「巨人の星」はちょっと忘れられてきている感があります。
まあ、登場人物が時代に左右されてますしね。王・長嶋が現役で出てますし、飛雄馬の背番号が、なんと「栄光の16番」(3番ではない)!
東京ドームに背番号16グッズを見に行きましたが、打ってませんでした。。。
ノムさん(野村克也)も現役で出てきます。
「あしたのジョー」には、そういった当時のリアルタイムの人物は出てこないので、そういう部分も時代を感じさせないのでしょう。
なつかしいので、久しぶりに読んでいますが、「星一徹」がまず、今の時代ならパワハラで一発退場ですな(笑)
そんな「星一徹」をみて中日ドラゴンズの水原茂監督が「戦前はもっと厳しいのがいっぱいいた」みたいなセリフをいう場面があるんですが、いまの時代創造がつきません。
おもしろいのは、随所に悲鳴をあげたくなりそうなパワハラが蔓延しているのに、「世の中軟弱になった」みたいなセリフが結構でてきて、戦前・戦中の日本人は想像するよりパワフルだったことがうかがえます。
「巨人の星は」そうした人たちが戦後の日本を復興させてきたんだなあと感じさせる作品です。